
こんにちは!
Dr.トレーニング、マタニティトレーニング責任者の青柳です。
妊娠中に体重は増やしすぎたくない、産後に体重・体型が戻るか心配という声がとても多く、よく聞かれるのが…
『妊娠中の体重増ってどのくらいがいいの?』 という質問です。
早速回答をすると…
『体重増は10-13kgが目安です。体重の増減は、赤ちゃんと自分の健康を守るための指標になります』
『体重管理によるメリットはありますが、ダイエット(体重を減らすこと)にこだわりすぎるのは逆効果です』
今回は、これらの回答について解説します。
【妊娠中の体重管理が大切な理由】

「妊産婦のための食生活指針」改定の概要(2021年3月)※1より引用
妊娠中に適正体重増を維持することのメリット、妊娠中の体重増に関してのアドバイスをまとめてみました。
『妊娠中を適正な体重増で過ごせれば、産後の排卵障害や生理不順を予防でき※4、妊娠前の体重へ戻りやすくなります※5』
『赤ちゃんの将来の健康を守るため、お母さんは妊娠前からの体重に気をつけた方が良いです』
『第二子目以降の妊娠を望んだり、産後に体型戻しが心配な方は、妊娠前から生活習慣を整えてください』
適正体重を維持できないデメリットは、下をお読みください…
妊娠中の適正体重増は、妊娠前の体格によって異なり、出生体重は2500g以上・4000g未満とされています。
(出生体重が2500g未満で低体重児、体重4000g以上で巨大児の状態)
妊娠前に痩せ・普通体重であった女性で、妊娠中の体重増加量が7kg未満の場合は、低体重児を出産するリスクが高くなる ※2
肥満での妊娠は、妊娠糖尿病・高血圧症候群の発症リスクが高まり、分娩時の緊急帝王切開、分娩後の大量出血の確率も多くなる ※2
子供の成人後におけるデメリット
早産・低体重児の状態→循環器疾患や糖尿病発症のリスク向上 ※3
巨大児の状態→肥満や糖尿病発症のリスク向上 ※3
【体重を気にしすぎていませんか?】

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Dr.トレーニングでは妊娠中の体重管理、産後の体型戻しのために、マタニティ・産後トレーニングに取り組むお客様が多いです。
しかし残念ながら、
妊娠前からダイエット願望が強いと、妊娠中に過度な体重増になりやすい ※6
過去にダイエット経験があり、ダイエット願望が強く、目標を『体重を減らす』に設定した女性は、体重が産前の状態に戻りづらい ※5
という研究報告もあります。
お客様から、産後の授乳期に食事を無理に変えたことで、母乳の出が悪くなってしまい、体調も悪くなってしまった、という声を聞きました。
妊娠中・産後の無理な運動と食事制限は、お母さんとお子さんの健康を守るという目的から外れるため、おすすめはできません。
これから妊娠の希望する方、マタニティトレーニングで妊娠中・産後を楽に過ごしたい方は、ぜひ無理のない生活習慣を考えていただきたいです!
参考文献
※1 「妊産婦のための食生活指針」改定の概要(2021年3月)
※2 「妊産婦のための食生活指針」の内容及び解説
※3 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領
※4 Frisch, Rose E. “1 The right weight: Body fat, menarche and ovulation.” Baillière’s clinical obstetrics and gynaecology 4.3 (1990): 419-439.
※5 木村涼子. “産後 10 か月女性の体重復帰と母乳率, 食習慣及び美容意識の関連.” 東北文化学園大学看護学科紀要 4.1 (2015): 11-18.
※6 倉嶋優希, and 白石三恵. “妊娠前または妊娠中のボディイメージと妊娠中の体重増加量の関連に関する系統的レビュー.” 日本助産学会誌 33.2 (2019): 117-127.